2013/01/21

スターターのオーバーホール (Starter Motor rebuild)

先月、友人からスターターの反応が悪くなり起動したりしなかったりする事があると連絡がありました。

以前に私もスターターから異音が出たのでエンジンから降ろしてオーバーホールをしました、スターター自体は構造がシンプルで分解整備は簡単ですが、750の場合はとにかくスターターを取り出す事と戻す事がえらく大変な作業になります。

エンジンから降ろす手順については、又の機会に詳しく解説するとして今回はスターター単体のメンテナンスについて見て行きましょう。

E32に搭載されているスターターは直6用とV12用で2種類あり、大きな違いは負荷容量です。 V12用は2.2kwもの出力があるのでモーター本体の電磁コイルがかなり大きなものです

直6用とサイズ的には同じなのでどちらも搭載は可能なようで、一部のオーナーさんがV12用を搭載したという話を聞いた事があります。  ただし、V12用は高出力モーターなのでそのまま乗せ換えると途中の電力ケーブルが焼けたりする可能性があるのでお勧めはしません。


735用とV12用を並べてみました


735用はBOSCH製の品番末尾が「041」なのですが、V12用には「135」と「027」が存在します。 どちらもスターターの固有部品番号では無くコイルケースの番号なので紛らわしいのですが、この番号がオーバーホール時には意外と大事です。


エンジンを起動させるには短時間に大変な力が掛かる訳ですが、スターターはその力を得るためにモーター回転を遊星歯車でギア比率を落とす事により得ています。 ところが車両の製造年が古い車両にはこの遊星歯車の応力を受ける部分にプラスチック製の部品が使われているのです。

スターターで障害が起きる確率が高いのはこのプラスチック製部品のモデルです。


続く・・・・