2013/07/09

劣化したガソリンからのワニス (Varnish from Gasoline Degraded)

日頃運行をしている車両ならばオーナーが燃料ポンプの交換を経験するのは大抵一度きりだと思います。


しかし数ヶ月に一度くらいしか運行せず燃料タンク内のガソリンが数年も経つような車両は度々トラブルに見舞われます。 これはガソリンが周囲の気温で気化を繰り返し空気中の水分と反応して劣化進行し大量のワニスを生成するのが原因です。


ワニスは燃料タンク内部の金属部品に付着堆積を繰り返すため燃料ポンプや燃料ゲージの動作を阻害してしまいます。


劣化したガソリンの入った燃料タンク内部を見るとこんな感じです




燃料タンクの底部だけでなく上部にも大量のワニス付着が見えます




当然ながら燃料ポンプのフィルタ部分やその他の金属部分にも付着します



スタックしてしまった燃料ポンプにハンマーで衝撃を与えてみたり、電極を逆に繋いで負荷を掛けてみたりと幾つかテストをしてみましたが2-3割程度しか復旧しません




結局のところ地道に交換するしか方法がありません




交換が完了した燃料ポンプの一部です(笑)




ちなみに燃料ポンプフィルターはこんな感じです、フィルター部分は既に洗浄済みです




でも金属部分にはこんなにワニスが付着しています




燃料レベルセンサーも動作不良なので分解してみると、フロートガイドにワニスがビッシリと付着してます




燃料ポンプ台座の裏側にもワニスが付着してます




こんな状態になってしまった車両を再度運行するには燃料タンクを洗浄する必要があります、タンク内部に付着しているのは錆びでは無くワニスなので高圧洗浄機を使えば綺麗に取れます。




洗浄作業のビデオはこちら