2013/06/25

ZF製AT 5HP30のバルブボディ修理その4 (5HP30 Valve body Repair Pt4)

チェックボールの異常が見つかった時点でリバース不良の問題は殆ど解決したようなものですが、とりあえずメインチャネルに不良箇所が無いかも点検してみます





メインチャネルを開けるにはもう一つのサブチャネルを分解する必要があります



このサブチャネルにはトルクスボルトが13本あります



4HP24のバルブボディはトルクスボルトの長さがそれぞれ微妙に違うため使用する場所に注意が必要ですが、5HP30はこのサブチャネルでも全てのボルトが同じ長さになっていました。 ある意味作業がしやすいです

メインチャネルにはペーパーガスケットがあるので分離をする際には十分に注意して下さい。 今回ガスケットを手配していましたが現物を比較すると微妙に異なる部分があり使用できないと判断しました、恐らくこれはE38用のものから分解されたものと推測します



先ほどのチェックボールは本来ここに位置するものです



チェックボールは2つとも代替品のベアリング球に交換し、各チャネルやソレノイドの洗浄も終わって組み立ては終了です。


あとはバルブボディを戻してATFを補充すれば完了です、ATFの補充は幾つか方法を試してみましたがブレーキオイルの加圧補充機が良い感じでした。





ATFの補充を終えてテスト走行をしてみると、いきなりトランスプログラムの表示が出ます・・・・



作業中にハーネスのコネクタを接続するのを忘れていたのを思い出しました、これを再接続してもう一度テストしてみると



またしてもトランスプログラム・・・・  何だろう?



思い当たる部分が無いので、診断機を接続して状況を確認してみます。  診断機には各ソレノイドへの電流値が表示されていますがEDS3の反応がありません、比較する車両が無いのでそれが正常なのか異常なのか現時点では判断できません。

メーターコンソールにはトランスプログラムの表示が出るのですが、診断機にはフォルトエラー無しと表示されます。 時間も遅かったので車両はこのまま一度引き取ってもらいもう少し調べなおしてから後日再確認することにしました。


オーナー自身はかなり不安げな表情でこのまま運行しても大丈夫でしょうかと聞かれましたが、トランスプログラムは3速固定になるだけなので無理な急加速などをしない限りクラッチが損傷する事は無いとお話して理解して頂きました。





さて、次回はこの原因究明と対策を講じる必要があります。