2013/11/18

E34-530 ZF-4HP22 バルブボディの再洗浄 ( 4HP22 Valvebody overhaul again )


今年の1月にバルブボディのオーバーホールを実施した車両に不具合が再発しだしたとの連絡を頂いたので、先日点検のため入庫して頂きました。


症状としてはATFが冷えているときに1速から2速へのシフトが3,000-4,000回転も上げないと入らなくなり、ATFが温まると症状は消えるとの事です。 症状は継続的で冷えているときは毎回発生するので1速から2速への移行用シリンダの動きが悪くなっていると予測できます。


シフトシリンダの動作が悪くなる要因はスラッジによる阻害が一番考えられます、前回の作業時には十分なATF在庫が無かったのでATユニット全体のフラッシングができませんでしたが、今回は十分在庫があるので必要ならばフラッシングも行う予定です。


オイルパンを開けてみると磁石には大量のスラッジが付着してました、この状況からバルブボディ内部にも相当量のスラッジがあることが分かりますのでバルブボディも再度オーバーホールします。



分解してみると、大量のスラッジです。




あっちも



こっちも



こりゃ駄目です



山盛りです



と言う訳でバルブボディはフルオーバーホールしました






バルブボディにとってこれだけのスラッジは致命的です。  1度オーバーホールはしている訳ですが、その後クラッチフェーシングやトルコン内部から新しいATFによって洗い流されたスラッジが堆積したものです。


バルブボディのオーバーホールをしていてもこの状態ですから、一般の整備工場にATFの交換だけを依頼したオーナーがその後どのような末路をたどるかは容易に予想ができます。 専門の業者が完全なオーバーホールしか請け負わない理由の殆どはこうした問題からです、でもバルブボディを含め残りのスラッジが綺麗になくなるまで定期的に分解洗浄すれば2-3回で問題は治まりその後10年は大丈夫になります。


普通に全オーバーホールを依頼すれば40-50万円コースですが、当方なら2-3回施工しても爆安(very cheap)です(笑)



今回は新しいATFでトルコン内部やクラッチフェーシングのフラッシングも行いました










作業完了後は、快調なATに戻りました