2014/02/02

E28-533 ZF-4HP22 のバルブボディ洗浄Pt2 ( Valvebody Cleanup for E28-533)

さて、前回ご紹介したE28オーナーさんのバルブボディ洗浄です。  車両を入手された当初からATへの不安を抱えておられたようで、最近シフト時のショックが大きくなる傾向にあり最悪の場合はATの載せ換えまで考えていたとの事です。


AT整備の件に関しては関西にいる数少ないE32オーナー仲間のALPYさんからご紹介があり近場と言う事もあり作業を受けて貰えないかと打診がありました。


幸い最近は友人達との整備だけでなくプライベートショップとしての立場で作業をお受けする環境も整ってきましたのでこうしたご相談があれば症状を診てお受けするかどうか判断をしています。


ATに限らず車両のトラブルは原因や対策も様々で作業に関してはリスクを伴う内容も多数あります、本業のご商売として店を構えているショップのように責任を負えないのも本音なのでそうした点をご理解頂いた上での依頼なら可能な限り要望にお応えしようと思っています。


作業前の533


今回のオーナー様はとても勉強熱心な方のようで、横で作業工程をデジカメで記録されています


4HP22は機械式のバルブボディなのでソレノイドやハーネスは無く4HP24よりも作業工数が少ないです


サブチャネルを分解してみました


メインチャネルです、各チャネルのスラッジ堆積はそこそこです


この4HP22には一部サブチャネルのチェックボールが不在の仕様でした、いつものように資料と相違があるケースがあるので常に現物主義で確認します


メインガスケットのパターンチェックです、4HP22には3種類あるので注意が必要です、今回はこれかな?


念の為、プレートマッチングもチェックします、間違い無いでしょう


最終的に全チャネルパートと内部シリンダ各種パーツを洗浄し組み上げます、バラすときも一応順番があり組む時も順番があります、そして何より各サブチャネルでむやみやたらにシリンダを分解してよい訳ではありません。


幾つも隠れたパートや問題があり分解すべきところとチャネルの向きなどを調整しながら洗浄して構成部品に問題が起きないように作業をしています。  


真横でその作業工程を見られていても何故そういう手順なのか詳細まで説明はしていませんから、もしDIYで補修される方が居ればきっと背筋が凍る経験をしてその理由を理解することでしょう(笑)


ATFは最近交換されたばかりで非常に綺麗な状態でしたが、チャネル内はいつも通りスラッジが溜まっていました。  運行時にシフトショックがあるのは恐らくスラッジでしょうと相談時に回答していました。



作業は午前10時に入庫して頂いてお昼ご飯の休憩を挟んで午後3時過ぎには完了しました、補修後にテスト走行して症状の確認をして頂きリバースのショックはほぼ無くなり前進の各シフトも大幅に改善が見られたと満足されたようです。



後日、車両状態に関して再度ご報告頂き作業の効果に満足頂けたようで安心しました。 スラッジの再堆積は数ヶ月経過を見て頂く必要がありますが特に問題が無ければあとは定期的なATF交換で大丈夫でしょう。