さて、スプリングの破損が判明したこのバルブボディですが、通常ならば分解・洗浄・組み付けで終わるべき作業が修理もしなければいけません。 幾つかの補修部品は手持ちにありますが今回のスプリングはどうでしょうか?
丁度、先日友人がストックしてた補修部品の殆どを譲ってくれましたので一通り見てみます

残念ながら適合サイズのスプリング部品はありませんでした、油圧調整用のオリフィスは各種サイズのストックがあるのですがね


さすがに、このままスプリングを入れずに置くとなると動作に不安があります。 2重スプリングのインナー側なので大したテンションは掛かりませんし、破砕した部品は全て除去したので分解前のようにシリンダがスタックするような事態は起きないと思いますが、横で作業を見学していたオーナーさんは流石にそれは納得できないでしょう(笑)
手持ちに4HP22の機械式タイプの予備バルブボディがありますので今回はそちらのチャネルから適合部品を移植します。 4HP22と4HP22EHはサブチャネルが良く似ていますが実際には分解してみるとシリンダ構造が異なりチャネルごとの移植はできません、一部のシリンダに使用しているスプリングが同じ仕様でしたのでそれを使いました。

本当なら新品部品にしたいところですが、そこは大目に見て頂きました。 作業後のテスト走行ではオーナーさんが作動状況に大変満足されたようで、あれだけの作業で劇変するフィーリングにしきりに関心しておられました。 元のオイルやオイルパンの状況は良いので今後は定期的なATF交換だけで暫くは大丈夫でしょう。