2015/11/28

ATのオーバーヒート障害




最近よく見るのはメンテを放置した結果、オーバーヒートを起こしてしまったATです。 オーバーヒートと聞くとエンジンのオイルや冷却水のトラブルを想像しますが、実はATFもオーバーヒートしますし致命的な障害も引き起こします。


一般的にATFの温度は冷却水と同様に85度前後が良いのですが、長年運行していてATF交換も分解洗浄もしていなければ大量のスラッジがATFクーラー内部に堆積したり酷いときには詰まってしまって機能しなくなったりします。


ATFは温度が5度上昇するごとに寿命が1年縮むと思ってください、とは言っても120度を超えるような事態になったらもうそのATFは継続使用には耐えません要交換となります。  5速モデル以降のATにはATF温度をモニターするセンサーも搭載されていて異常な上昇を検知すると制御ユニットが強制的に2速や3速に落としてホールドしクラッチ類の損傷を防止する設計になっています。


古い4速モデルには温度センサーは搭載されていませんから、そうした温度になる事態になるとガスケットやクラッチフェーシングにダメージが及びます、これはメインチャネルのガスケットが焼損してしまっている事例です。



オーバーヒートの状態が酷い場合はエンジンブロックやヘッドと同様にチャネルフェースの面研をしなければなりません、そのまま無理に組み付けをすると各チャネルのブロック自体が歪みで割れてしまう事もあります。