2012/09/30

不可解なシートトラブル2 Strange thing on Electric seat2


前回シートモーターの補修作業をしたときに発生した問題について記載してみます。


主にシート関係のトラブルはスイッチ類の操作に対して適切な動作をしない又はメモリーやシートヒーター等の付帯機能に問題が起きるケースのどちらかでしょう。 



友人のJB1さんのシートでスライド動作が不良になり分解点検をしたところ駆動用モーターに付いている位置検出ポテンションメーターのシャフトが折れていたそうです。 メモリーシートの場合、各モーターは駆動量をポテンションメーターで検知する仕組みになっているようですが、通常このポテンションメーターのボリュームを動かすシャフトには構造上殆どトルクは掛からない仕組みになっています。 トルクが掛からない部分なので部品はプラスチックで出来ていたようですが20年以上継続して使用する事まで想定していなかったのか経年劣化によりシャフト部品が破砕していたそうです。

各種モーターはシート下に実装されています

赤丸がシートスライド用モーターで、黄丸がリフト用モーターです
モーターにはポテンションメーターが付いています
こんな感じのシャフトで駆動されます、元はプラスチック製だそうでこれは金属の削りだして加工したものです
ポテンションメーター内部の構造です

シャフト回転をギアで落としてボリュームを駆動しています
ポテンションメーターを交換して仮ケーブルで稼動テストをしてみると動きが変です

スライドレバーで操作する分には前後とも問題無く動くのですがメモリー動作をすると途中で逆方向に反転したりします
シート制御モジュールに異常があるかも知れないとの見解で予備のモジュールで再度テストしてみます

しかしやはりメモリ動作が正常に機能しません
ポテンションメーターを調べると個々に部品番号が違うことが判明しました。

友人の話では修理したときに他のシートのモジュールを移植したようですが別のパートのもののようです

ラインにテスターを当てて抵抗値を計りながら駆動すると最小から最大まで2回くらい検知しています。 ポテンションメーターは部品毎にギア比が違う事が判明、リフト用のものを使ってしまったので2週しています
正規の部品で組んでテストすると見事に復帰しました(笑)

単独でシートの駆動に問題が無くて、メモリー機能だけに不具合がある場合にはポテンションメーターのシャフト破損というケースもあることが今回わかりました






ポテンションメーターはボリューム制御ですが、取り付け時に最大や最小の位置調整をする必要は無いようです。 今回適当な位置で合わせてもスライドをさせると勝手にギア滑りをして調整される事がわかりました。