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2013/11/27
EDCⅢフロントショックのオーバーホール Pt1 ( EDC III Shock Overhaul )
アルピナと言う車に乗るとその独特のエンジンフィールと足回りセッティングの絶妙さに驚きを覚えます。 しかしいくらアルピナと言えども25年もの間手入れをされていない状態のフロントショックでは本来の感覚とは程遠いのが現実です。
それでもノーマルの750から比べれば格段に違うその感覚は健在ですが、オーナーとしては整備をしてオリジナルに近い感覚に戻してあげたくなります。 車両を入手した当時からフロント足回りのふらつきや収まりの悪さを感じていて、一通りアームやブッシュ類の交換をする事である程度は改善されましたが猫足として知られるアルピナ本来の状態にするにはショック自体をオーバーホールするしかないという結論に至りました。
ビルシュタインやオーリンズといった足回り部品を供給している主要メーカーではショックのオーバーホールを受けているところもありますし、アルピナ自体の新品部品はまだ供給していますからその気になればリフレッシュする事は可能です。
ですが、私がそんなバカ高い費用を掛ける筈がありません(笑)
そうです、当たり前のようにDIYでオーバーホールします
同じE32シリーズでも735の場合はフロントショックはガスチューブ一体部品になっていてフロントサスペンションから差し替えが出来るようになっています、でも750のEDCサスペンションの場合はナックル部分まで一体となった一式部品です。 これは逆に言えば私にとって好都合と言えます、トップシールさえ取り外せて再利用できれば封入されているショックオイルの交換補充ができる筈です。
問題はショックのトップシールが圧入されている事です、捻じ込まれているような構造ならば緩めれば良いのですが、以前解体して確認したときはベアリング等と同じように圧入されていてシールを傷めずに容易に取り出すのは難しそうだった事です。
百聞は一見にしかず、早々に解体してみましょう
いきなりサスペンションが解体されてますが、細かい手順は次回説明します
トップシール部分を拡大してみると
ピッタリと圧入されていて引き出す方法がありません、そこで今回は板金用の溶接機を使います。 この溶接機とても優れもので溶接箇所の周囲にコンプレッサのエアーが送れて冷却が出来ます、溶接部分とシールが非常に近い事もあり熱でシールが傷む可能性を軽減してくれます。
テスト溶接してみました、電流量が調整できるので溶接の強さも調整できます、良い感じです
実際にトップシール部に溶接してみました
この状態でリングにスライドハンマーを引っ掛けて軽く引くと綺麗にシールを取り出せました、成功です!
さて、ここまでくれば大丈夫です、続きは次回に・・・