M70は最初に設計されたV12だけあってエンジン自体はできるだけメンテナンスフリーになるよう考えたようですが、それでもいざ整備が必要な状態になると手間隙が掛かるエンジンに違いはありません。 シングルカムで構造がシンプルな事が唯一の救いです。
ヘッドカバーを開けるまでの作業工程説明は省略します(笑)、 デジカメがもう寿命のようで撮影時になかなかピントが合いません、整備用に使っているといつもATFに濡れて壊れます。

カムやその他のパーツに問題となる異常は見られません、私は殆ど皆さんのようにまめにオイル交換はしませんが管理状態はみたところ悪くありません。 まー日本人のオイル交換頻度はメーカーに騙されて異常すぎますけどね
M70のカムプーリーは画像では判りにくいですがスプロケットとボルトによるバーニアタイプで調整が容易になっています、必要に応じてカムの進角が調整できますから町乗り仕様や高回転仕様にできます(笑)

M30やM70のヘッドにオイルを供給するパイプラインのバンジョーボルトがよく脱落する車両がありますが、私のエンジンは以前整備したときにボルト下に銅板を挟んで緩み止め処理をしてありちゃんと機能していますので緩みはありません。 M70の場合は仮に緩んだとしてもヘッドカバーケースにボルト頭が当たって脱落してしまうことはありませんが、適切なオイル供給が出来なくなるのは困りますからこうした処置をしておけば良いでしょう

カム位置を決めるゲージはこれ

ゲージを既定のカム位置に挟んでヘッド側面に合わせてみます

こちらは前方向ですが見ての通り2mm程浮いてしまってます、つまりカムが遅れている訳でして(--; たったこれだけ? と思われるかも知れませんが、エンジン内では1/1000秒単位で燃焼効率が計算されているわけで、人間の感覚で物事を判断してはいけません。

実際、アルピナのハイカムとノーマルのハイカムを目視で比べても簡単には見分けがつかないくらいの差ですが、先のEML交換試験でも判るようにその差は顕著に現れる訳です。 逆に言えばこの微妙な調整を手作業でやるのも結構シビアだなーと感じたのですが、それが後々影響する事を実感する事になります
続く・・・・・