2013/06/29

ZF製AT 5HP30のバルブボディ修理その5 (5HP30 Valve body Repair Pt5)

前回、トランスプログラムの原因が不明のまま一旦撤収してもらった540ですが、次の週末に原因究明と解決のために再度お越し頂きました


先週のトラブル以降に幾つかの原因を想定してみました。 診断機の情報や資料からまず疑ったのは電気系統の障害です


5HP30のATF補充口はオイルパンにありますが、ATFの規定量を確保するために底面よりも5cm近く上部つまり奥深くにあります。 これがATFの補充作業を困難にしている訳ですが、整備後はオイルも6リットル以上補充する必要があるので補充用のホースもある程度の太さが必要です。




前回は17mmの六角ボルトプラグに近いサイズのホースでATFを補充しましたが、よくよく考えると補充口の周囲には画像のような整流器が配置されておりホースがオイルパン内に入る余裕がありません。  前方向が空いているように見えますがそこにはソレノイドのハーネス群がありここもスペースは全くないような状態です。




補充口に近い大きさのホースを無理に押し込んでATFの補充をしたとすると、そのホースがEDS3のハーネスを破損したり接続が外れてしまった可能性があるのではと考察しました。


確認するためにはまたATFを抜くしかありませんので、今回は14mmサイズのナットでドレンを開けてオイルを回収し再利用します。




大きめのジョウゴで受けたのですが、外れたドレンプラグが丁度そのジョウゴ口のサイズと一致して穴を塞いでしまい受けたオイルが溢れてしまう事態になりました、何とか7割位は回収できました。


さて、懸念されたハーネスですが・・・  あれっ? 何の問題も無さそうです。






うーん、困った・・・・(笑)



仕方ないので基本に立ち返って、ハーネスとコネクタの導通試験と各ソレノイドの抵抗値を全て検査してみる事にしました。


ハーネスとコネクタの接続




各ソレノイドの抵抗値




2個あるスピードセンサも抵抗値に異常はみられず、電気的な問題も無さそうです。  バルブボディの分解整備には問題が無いと絶対の自信がありこの時点では未だ原因不明の状態ですが電気的な問題が無いのでもう一度ATFを入れてテストしてみることにしました。




まだ、続く・・・・