2014/07/28

5HP30 異音問題の解析結果 (5HP30 Strange Noise Trouble Fix)

フィルタの交換により異音が無くなった以上、今回の原因はフィルタにあるのは明らかです。  そこで交換したFebi製フィルタと純正互換となっている「Filtran」ロゴ付きのフィルタを分解して解析してみます。


左がFebi製で右がFiltranロゴ付きの上部面(バルブボディ側)





左がFebi製で右がFiltranロゴ付きの下面(オイルパン側)




メタルケースを分解してみると内部のろ過フィルタが見えます、フィルタは少し厚手で1枚を2つ折りにして袋状に加工されていました。 袋部分を開けると下に開け広げられます。 この時点では大きな違いは見られません。




ろ過フィルタを広げてみるとFebi製のほうにはメッシュ状のバイパス路が開いています。




吸い込み口から入ったATFはかなりの量がこのバイパス路を通過するような設計になっています、フィルタが詰まり気味になったときの事を考慮したとしても詰まる場合はメッシュフィルタも同様に思えますので明らかに流入抵抗を減らすことを目的にしていると思われます。 バイパス路としての機能なら吸い込み口から最短距離にしたりしないでしょう。




本来ならろ過フィルタを経由して均一にフィルタボックス内をATFが流れなければいけませんが、これでは明らかにこのバイパス路周辺を流れるATFが多くなり偏ります。 しかも液体は性質上メッシュフィルタを通過する際に泡立つ性質がありますからATFはバルブボディに入るときにかなり泡立っている筈です。  どうやら異音はそれにより発生しているようです




こちらはFiltran製




OEM部品を作っているメーカー全てに言える事ですが、その部品がどういった理由でそうした設計になっているのかを十分に理解できないまま模倣品を作るとこうなるという例ですね。 部品メーカーは良かれと思って仕様変更してるようですが、元々の機械の設計をしていないので間違った方向に改善してしまうケースが多いようです。



勿論、このフィルタを使用した事でATがトラブルになる事はありません、ただ運行時に妙な音が発生するケースはあるかもしれないので音が気になる場合は点検してみると良いかも知れません・・・・(笑)