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2014/11/02

ジャトコ製ATのオーバーホール点検 (JATCO valvebody)


相変わらずJATCO製のATに関する相談が寄せられるので、勉強を兼ねてドナーのATでオーバーホール手順の確認をしてみました。



JATCO製ATに関しては整備手順書等の資料が無いため、今回は試行錯誤しながら各作業でのポイントや問題点の資料作りが目的です。  バルブボディのオーバーホール時に資料が無いと言うのは致命的トラブルになる可能性があるので運行中の車両のATで行う事はできません、今回は友人が所有するドナーを借りることができましたのでそれを使用しました。



まー、しかし国産とは言えこの頃のATはZFと見比べると設計クオリティに疑問を感じざるを得ませんね・・・・バラせばバラす程に正直あまり触りたく無くなります



JATCOについてはノウハウが溜まるまで、内輪の人だけしか相談は受けない事にしましょうかね





2014/02/18

E34-540ツーリングのバルブボディ洗浄Pt2 ( E34-540 Touring Valvebody Cleanup 5HP30 )


さてメインチャネルの状態ですが、若干のスラッジ堆積が見られますが酷くはありません。  この年式でこの状態はむしろ優秀です。



こちらもそうですね



洗浄が終わってリバース障害対策も終わったメインチャネルです、いつも洗浄後のメインチャネルは美しいですねー




いつも作業時はそうですが、一つ一つのチャネルパートの洗浄が終わる度に作業トレイを綺麗にして次の作業に備えます。  バルブボディの分解整備時には細かな部品の脱落・紛失・混同に細心の注意が必要です、一つの作業の区切りが終わる度にそうした不備が無いか確認しながら行います。


組み上げの終わったバルブボディ



本体への実装も完了しました



あとはATFの補充ですが、この5HP30の補充はいつも苦労します。 オイルパンの真ん中に補充口がありますが、周囲にATFの整流ボックスがあり補充の妨げになります。  前方向にはバルブボディのハーネスが有りますから前後共ホースが入る隙間が有りません。



ATFは稼動状態で上限一杯まで補充しますがどこまで入っているか非常に分かりにくく、溢れてきても方向を変えると入るのでいつも右へ左へと試行錯誤します



純正のオイルパンガスケットはペーパータイプですがATF漏れがよく発生するので接着面にシール剤やボルトに緩み止め剤を使うショップが多いようです。  私のところでは海外からゴム製で厚みのあるタイプを取り寄せて使っています、ただこれも装着後暫くするとパッキンが痩せてくる可能性がありますから後々ボルトの増し締めをしたほうが良いでしょう。






E34-540ツーリングのバルブボディ洗浄Pt1 ( E34-540 Touring Valvebody Cleanup 5HP30 )


今回の施工はATに不具合は無い車両です。  


オーナーさんから今後も安定した状態で維持したいとの想いからATの状態確認を兼ねてバルブボディ洗浄のご依頼を頂きました。


ATにトラブルが発生する前に状態確認と予備整備をするのはとても良い事なのですが、殆どのオーナーさんや民間整備工場はATに関する整備をしません


世間的には古いATF交換や整備をすると壊れるという意見が多いので仕方がありませんね


ネット検索でたどり着いたこちらのオーナーさんはある意味ラッキーなんでしょう(笑)


540のツーリングですねー




早々にバラしてみます



この年式の車両にしてはスラッジは非常に少なく優秀です



堆積量は僅かですね、クラッチフェーシングのペーパーダストやディスクの金属粉も殆どありません



ATFは純正品そのままだそうです、流石にこれはかなり劣化しています



降ろしたバルブボディです



サブチャネルの状態を診て見ます



各シリンダパートもスプリング等の損傷は有りません



ソレノイドパートも良好です



さてメインチャネルのパートに進みます



ガスケットにはスラッジ堆積が見られますが焼けや損傷は有りません







次はメインチャネルの状態確認です・・・





2014/02/17

E34-550 Racing Dyna バルブボディの再洗浄依頼 ( E34-550 Valvebody Cleanup 2nd )


以前に一度バルブボディのオーバーホールをした車両ですが、初回の分解洗浄時にかなり酷い汚れでしたので近々再施工が必要になると思っていました。


施工依頼を受けた民間工場の整備士さんにオーナーさんに様子を伺って下さいとお願いしていたところ、程なく不調再発の連絡を頂きました。


と言うことで再オーバーホールをしました


予想はしてましたが




ここにも




当然ながらソレノイドも詰まってます




全てのチャネルとシリンダを再洗浄します




前回在庫が無かったアシストチェックボールもメタル製に変えます




組み上げ終了



スラッジにはあまり効果の無いフィルタですが、やっぱり新品は気持ちいいです






2度目のオーバーホール後は前回より更に滑らかになりました、でもこの分だとあと1回は必要かな・・・


2度目からの施工費用は若干お安くさせて頂いております、状態を維持するためにも症状が無くなるまで定期的な洗浄をお勧めします。



2014/02/03

E34-540ツーリング バルブボディ洗浄のご依頼 (E34-540 5HP30 Valvebody Cleanup)

こちらもブログをご覧になりバルブボディ洗浄の施工依頼を頂きました、E34-540です詳細は次回にアップ致します。











2013/11/18

E34-530 ZF-4HP22 バルブボディの再洗浄 ( 4HP22 Valvebody overhaul again )


今年の1月にバルブボディのオーバーホールを実施した車両に不具合が再発しだしたとの連絡を頂いたので、先日点検のため入庫して頂きました。


症状としてはATFが冷えているときに1速から2速へのシフトが3,000-4,000回転も上げないと入らなくなり、ATFが温まると症状は消えるとの事です。 症状は継続的で冷えているときは毎回発生するので1速から2速への移行用シリンダの動きが悪くなっていると予測できます。


シフトシリンダの動作が悪くなる要因はスラッジによる阻害が一番考えられます、前回の作業時には十分なATF在庫が無かったのでATユニット全体のフラッシングができませんでしたが、今回は十分在庫があるので必要ならばフラッシングも行う予定です。


オイルパンを開けてみると磁石には大量のスラッジが付着してました、この状況からバルブボディ内部にも相当量のスラッジがあることが分かりますのでバルブボディも再度オーバーホールします。



分解してみると、大量のスラッジです。




あっちも



こっちも



こりゃ駄目です



山盛りです



と言う訳でバルブボディはフルオーバーホールしました






バルブボディにとってこれだけのスラッジは致命的です。  1度オーバーホールはしている訳ですが、その後クラッチフェーシングやトルコン内部から新しいATFによって洗い流されたスラッジが堆積したものです。


バルブボディのオーバーホールをしていてもこの状態ですから、一般の整備工場にATFの交換だけを依頼したオーナーがその後どのような末路をたどるかは容易に予想ができます。 専門の業者が完全なオーバーホールしか請け負わない理由の殆どはこうした問題からです、でもバルブボディを含め残りのスラッジが綺麗になくなるまで定期的に分解洗浄すれば2-3回で問題は治まりその後10年は大丈夫になります。


普通に全オーバーホールを依頼すれば40-50万円コースですが、当方なら2-3回施工しても爆安(very cheap)です(笑)



今回は新しいATFでトルコン内部やクラッチフェーシングのフラッシングも行いました










作業完了後は、快調なATに戻りました





2013/09/09

レーシングダイナミクスのAT修理 Final (RacingDynamics Valve Body Repair)

今回の車両は前日から預かっていたものなのでATは冷えた状態で作業ができました、バルブボディの分解作業はATが冷えていないと大変ですが今回は3時間程で終了しました。


バルブボディとATFの汚れが酷い状態でしたので、新油のATFを使ってトルクコンバータ内部に残っているATFをフラッシングすることにしました。


4HP-24の場合はフィルタにホースを接続して新しいオイルを吸わせ、古いオイルを回りから垂れ流す方法でATFの全量入れ替えができます


ATに必要な量は8リッター前後ですが古いオイルのフラッシングには追加で10リッター程度を使います




トルクコンバータ内部に汚れたオイルが残っている状態で新しいオイルを補充しても直ぐに汚れてしまいますが、この方法ならば綺麗になります




これでこの車両のAT修理は完了です



レーシングダイナミクスのAT修理 Pt2 (RacingDynamics Valve Body Repair)

4HP-24バルブボディの作業手順については過去記事で下記を参照して下さい


バルブボティの取り外し

ソレノイドの洗浄

バルブボディの分解手順



プレッシャレギュレータの状態を見ると汚れで詰まっています




サブチャネルもやはり汚れが多いです




こちらのサブチャネルもです




サブチャネルが装備されていた部分のメインチャネルプレートを見ると酷い状態です



アッパー側のサブチャネルは全滅です




下側のチャネル部分にもやはり汚れが堆積しています




これらのサブチャネルは内部のシリンダ類も全て洗浄しました




メインチャネル内にはチェックボールが2個ありますので、それらはプラスチックからメタル製のものに交換しました。 今後チェックボール粉砕によるリバーストラブルはこれで回避できます。 一通りチャネルの洗浄が終わったらあとは組み付けてATFを入れるだけです



続く・・・・・





2013/09/08

レーシングダイナミクスのAT修理 Pt1 (RacingDynamics Valve Body Repair)

本日はE34の車体にM70エンジンを搭載したカスタム車両、レーシングダイナミクスのAT修理です


M70のV12エンジンはE32の車体でも殆ど空間が無いのに、更に狭いE34の車体に載せているのを見ると私らでも手を入れるのを躊躇する程です


該当車両はATをドライブやリバースポジションに入れて駆動力が掛かるときに蹴飛ばすようなショックがくるとの事です。 ATはZF製の4HP24でE322の750と同じなので今回はバルブボディのオーバーホールをして原因究明と対策を実施します。


ATは一度交換されていてその後70,000-80,000キロ走行しているとの事です、ATFの交換履歴や主な走行が渋滞路なのか高速走行なのか分かりませんのでオイルとオイルパンの状態を確認してみます。


オイルを抜いてみると劣化して焼けた独特の嫌な臭いがします、最初に出てきたオイルはかなりチョコレート色が強く汚れていました




オイルパンにはクラッチプレートのペーパーダストは見られないのでクラッチの大きな損傷は無いようです




もう何十回も見ている4HP24のバルブボディです、トルクスボルトの位置や長さも全て頭の中に入っているので資料が無くとも取り外しや装着はできます





さて次は、バルブボディの分解です・・・ 続く