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2014/07/21

カムタイミング調整 その1

先日のEMLスワップテストでカムタイミングのズレが疑わしくなったので早々にエンジン整備を実施しました。 カム調整をするには専用工具が必要ですが、友人のJB1さんとMr.Shogun両者がお持ちでしたのでお借りして作業する事にしました。


M70は最初に設計されたV12だけあってエンジン自体はできるだけメンテナンスフリーになるよう考えたようですが、それでもいざ整備が必要な状態になると手間隙が掛かるエンジンに違いはありません。 シングルカムで構造がシンプルな事が唯一の救いです。


ヘッドカバーを開けるまでの作業工程説明は省略します(笑)、 デジカメがもう寿命のようで撮影時になかなかピントが合いません、整備用に使っているといつもATFに濡れて壊れます。





カムやその他のパーツに問題となる異常は見られません、私は殆ど皆さんのようにまめにオイル交換はしませんが管理状態はみたところ悪くありません。 まー日本人のオイル交換頻度はメーカーに騙されて異常すぎますけどね


M70のカムプーリーは画像では判りにくいですがスプロケットとボルトによるバーニアタイプで調整が容易になっています、必要に応じてカムの進角が調整できますから町乗り仕様や高回転仕様にできます(笑)





M30やM70のヘッドにオイルを供給するパイプラインのバンジョーボルトがよく脱落する車両がありますが、私のエンジンは以前整備したときにボルト下に銅板を挟んで緩み止め処理をしてありちゃんと機能していますので緩みはありません。  M70の場合は仮に緩んだとしてもヘッドカバーケースにボルト頭が当たって脱落してしまうことはありませんが、適切なオイル供給が出来なくなるのは困りますからこうした処置をしておけば良いでしょう





カム位置を決めるゲージはこれ




ゲージを既定のカム位置に挟んでヘッド側面に合わせてみます





こちらは前方向ですが見ての通り2mm程浮いてしまってます、つまりカムが遅れている訳でして(--;  たったこれだけ? と思われるかも知れませんが、エンジン内では1/1000秒単位で燃焼効率が計算されているわけで、人間の感覚で物事を判断してはいけません。





実際、アルピナのハイカムとノーマルのハイカムを目視で比べても簡単には見分けがつかないくらいの差ですが、先のEML交換試験でも判るようにその差は顕著に現れる訳です。  逆に言えばこの微妙な調整を手作業でやるのも結構シビアだなーと感じたのですが、それが後々影響する事を実感する事になります




続く・・・・・


エンジン不調の原因確認 (Engine Miss Fire Check)

毎日のようにV12を運行する上で多少のエンジン不調は許容範囲といつも割り切っているのですが、今年に入ってからの不調はあまりに酷く無視しているとエンジンストールしそうな勢いで車検を通す時に問題になると困るので重い腰を上げて整備する事にしました


最近は他のオーナーさんからの整備依頼が多いので自分の車両整備が疎かになりがちです、それを察してか愛車は毎日のようにグズります。 このところ酷いのはエンジンのアイドルバラつきで冬場のようにハンチングはしませんが失火が酷く排気ガスの状態もよくありません


不良の確認されたラムダセンサーを交換した直後は良かったのですが、それも日が経つとまた同様の症状です。  診断機を繋いで各種センサーからのシグナルやエラー情報が無いか診ても特に数値上の異常は見られません、こうなると厄介ですね。


仕方が無いので思い切った方法で原因を探ることにしました、原因として考えられるのは燃調不良か燃焼不良なのでDMEとEMLを交換してテストしてみます。  B12はカムシャフトや圧縮比がノーマルと異なるのでこれらコンピュータユニットも専用となります、当然ながらノーマルのユニットに交換すると燃調が合わないのでエンジンは正常に機能しません。  ただ正常に機能しないと言ってもエンジンが掛からない訳では無く不調になるだけです、その不調具合が今の状態と似た状況にあれば原因はカムタイミングのズレにある可能性が高くなるということです。


まずDMEから交換してみます、前期と後期でコネクタ形状が違うので互換性はありませんから注意が必要です




DMEは主にスロットル制御を受け持ちますからアイドル状態での挙動には変化が無いと予想されます。 予想通りユニットの交換では目立った変化は感じられませんでした、次にEMLも交換してみます





今度は挙動に変化が現れました、予想通りの感じでより挙動が不安定になって失火が酷くなっています。 ノーマルエンジンと点火タイミングや燃調が違いますから不安定になるのは当然ですが、ここで大事なのはその不安定感が交換前と似ているかどうかです。  全く異なる挙動であれば燃調やカムタイミング以外の原因を疑う必要がありましたが、どうやら同じような感じで更に失火が酷くなった傾向と判断ができました。


ほぼ原因はカムタイミングの不良で間違い無さそうです、さてエンジン調整の準備をしないとね・・・



2013/06/05

エンジンがまた不調になってきた (Very bad feel on my V12 Engine)

最近またエンジンの調子が悪くなってきました。  アイドリング不調や失火は対策済みなので問題はありませんが、このところ頭を悩ますのは酷いノッキングです。


B12は日本向けでハイオクガソリン仕様になっています。  本来ならハイオクガソリンを使えば良いのですが、友人も含めて私らは常にレギュラーガソリンで運行しています。


半分くらいはそれらが影響しているかも知れませんが、友人のB12を乗ってみるとレギュラーガソリンでもアクセルを踏むとストレス無く拭け上がるのに、私の車両はゆっくり加速しないとノッキングだらけになる始末です。




カムタイミングがずれてきているのは明らかです・・・・  やっぱり、また組み直しだな





2013/05/03

エンジンストールの修理 (Engine Stall)

先日走行中にエンジンが不調になり停止しそうな状態になりました、症状的には片バンクが機能しなくなったときに似ていたのですがメーターパネルにはEMLランプの点燈は無くアクセルを踏むと少し改善したりしたので本日点検してみることにしました。

M70エンジンはご存知のようにBMWが世に出した最初のV型12気筒であり多くのシステムが2重化された贅沢なエンジンです。 しかしながら色々な物が2つあると言う事は古くなるにつれてトラブルも2倍になるのは容易に想像できます、実際25年を越える車両でこれらのパーツが完璧に同調して機能しているものは滅多にお目に掛かれません。

BMW自身がその事を想像していたかどうかはともかく、M70エンジンは多少の不具合があってもオーナーが気付かないくらい不調を補完しあいながら機能する何ともアバウトなシステムです。 調子の良い車両に乗っているオーナーならば直ぐに分かるのですが多くのオーナーが不調を知らないまま乗り続けていても壊れないのでそれはそれで有り難いエンジンと言えます。




さて、今回のトラブル原因追跡も普段なら色々確認箇所が多くて面倒なのですが、もう最近はあれこれ考える前にとりあえず車両に残っているディフェクトメモリー情報を確認するようにしています。 全ての電装システムはエラーが発生すると車両内部のコンピューター上に記録を残すようになっているので、それらを読み取れば原因を推測できます。 経験と勘に頼ってもよいのですが時間も労力も掛かりますからね・・・

まずは車両に診断機とパソコンを接続してメモリー情報を読み取ります


各バンクのDMEメモリーの読み出しをすると


シリンダ1番~6番で吸気温度センサエラー有りと出てます、他にラムダセンサも出てますがこれはストールによる燃焼不良によるものと推測されます


更に吸気温度センサの詳細情報を見てみると、現在も故障があると出てます


状況詳細を見てみます、吸気温度マイナス49度? センサが死んでるか断線してますね


診断機はリアルタイムでモニターもできるので現在の左右バンクの値を読み取ってみます



シリンダ1番~6番は右バンクですから吸気温度センサは左側、V型エンジンの場合は逆側つまり運転席側になります。 不良箇所を通知しているセンサ自体に不良が無いかそれぞれテスターで確認してみるとどちらも抵抗値は2kΩ前後あり問題はありません、これはケーブルの断線が原因と確定です。







原因さえ分かれば対処は簡単ですが、原因が分からないと色々総当りでみなければならないので大変です。 今回はケーブルの補修だけで完治しました。





2012/09/13

ステムシール打ち込み工具 (Stem Seal Install Additional Info)


先日ステムシールの交換作業を記事にしましたが、ステムを打ち込むための工具に関する情報を載せていないことに気付きました。

ステムの取り出しはステムプライヤーで引き抜けば良いだけですが、インストール時には適切な工具で打ち込む必要があります。 工具と言っても適当なサイズのアルミ管で大丈夫ですが、他のオーナーさんが作業するときにサイズが分かっていれば代替品の選択も容易になると思います。

 ステムシールの形は上部が細くなった台形状です
 シールやスプリングを傷めないサイズを選ぶ必要があります
適切なサイズならばピッタリと収まり打ち込みもしやすいです
外径はおよそ13mm
使用する管もほぼ同じ13mm
内径はスプリングが当たる部分で10.7mm
管の内径も10.7mm
 ちなみにプラグの径は13.7mmなので
D2ショップ等で探すときにはプラグを持っていけば比較しやすいでしょう
バルブを保持するのに使ったロープ径はおよそ9.0mmでした

これらの工具は友人の寺爺さん(Teraji)がお貸し下さいました、有難うございました。


多少は参考になりましたでしょうか?


2012/09/05

アイドリング不調の補修 M70 Idle trouble fix !


先日、Shogunとの合宿でステムシール交換とエンジン再調整を行ないました。 

本来ならプラグが焼けた辺りでエンジンは落ち着いて安定しなければいけない筈ですが、毎朝エンジンを掛けるときにアイドル不調がでるようになり整備の前よりも調子が悪い状態です。

症状としてはエンジン始動時にハンチングが発生しエンジン回転が大きく上下します、アクセルを何度か煽ってやると落ち着いてきますが、どうもエンジンが冷えているときに顕著に症状がでるようです。

M70エンジンのアイドリング不調には多くの原因が考えられます

・燃料ポンプの不調
・燃圧レギュレータの不調
・点火系不良(デスビ、ローター、ケーブル、プラグ、イグナイタ)
・O2センサ不良
・バッテリー不良
・発電不良(オルタネータ)
・インジェクタ不良
・グラウンド不良
・パルスセンサ不良
・スロットル不良
・水温センサ不良
・DME、EML不良
・エアフロ不良(本体、コネクタケーブル)
・エア噛み(AirLeak)


しかし、殆どの原因は対処済みなので思い当たる部分がありません。


何度か朝に発生したときに試しにエアコンを切ってみるとハンチングは小さくなり症状が緩和されたので、エンジンが冷えた状態で負荷が掛かったときに発生するのは間違いなさそうです。

暫くは原因が掴めないままの運行が続いたのですが、ShogunのM3整備に行ったとき帰り支度をしているとエンジンルームから聞きなれない異音がする事に気付きました。


「チッ! チッ! チッ! チッ!」

「Tick! Tick! Tick! Tick!」

「????」 

何だこの音は?


異音はエンジンルーム右前方から聞こえますが、ヘッドカバー内からなのかエアコンコンプレッサからなのか或いは他の何かからなのか正確につかめません。 例えるならばタイラップの端が回転周期に合わせて干渉しているような感じの音です、手を突っ込んであちこち触れて振動が伝わる部分を確認するとコンプレッサの遮熱板付近から伝わります、コンプレッサが死にかけてるのか?

念のためエアコンコンプレッサに繋がるベルトプーリーを緩めてベルトをフリーにして確認してみますが、まだ異音は続いています(--



Shogunがサウンドスコープを持ってきて「これで調べてみれば」と言うので、総当りで点検してみると


これだ、ここだ、ここ!



燃料タンクにチャコールキャニスターを通じてガスを戻す(FUEL TANK BREATHER VALVE)のラインが破壊されてます。
ここには左右バンクのスロットルボディからそれぞれラインがきていますが、接合部はごらんのようなプラスチック部品で分岐されています、画像に撮る前はこの片側が破損していました。  撮影のために引き出したら両側とも破損して使い物になりません。 どうしてこういうところにプラスチック部品を多用するんでしょうね?



手持ちに三分岐の6mm用メタルコネクタがありましたので、それに換えてホースも新品に交換しました。 どうやら片側バルブの送り出し側が開放状態になっていたのでバルブが常時開閉を繰り返して激しく音が発していたようです。

バルブから大きな音がしていたので念のため部品車から該当部品を取得してバルブに不良がある場合は交換することにし、まずはホースの修理をして様子をみてみます。

補修後にエンジンを掛けてみると嘘のように落ち着いてアイドリングしています、もちろん異音も無くなりました。


さて、そのバルブですが考察のため分解してみました。

これがその問題のバルブ、普通に買うと1個$150.00もします
前から?
後ろから?
バラしてみました
電磁バルブで開閉される仕組みです
焼き付かない限り故障はしそうにありません
リリーフバルブも付いています
こちらはスプリングで与圧を制御しています
バルブの作動はこんな感じです


この夏にアイドル時に異常にガソリン臭い事がありましたが、恐らくそれもパイプ破損が影響していたものと思われます。  この修理をしてからアルピナエンジンの調子は経験したことが無いくらいに格段に良くなりました




2012/08/23

合宿4日目 (Repair Camp Day 4 Final)

もともとは一泊か二泊を予定していた合宿ですが主たる作業は無事に終わり細かな付帯作業だけになったのですが、ガレージをお借りして作業のお手伝いもしてしてくれた友人にもせっかくなので何かお手伝いをする事にし予定を一泊のば延ばしました。

ワイフにはせっかくの休みが全て旦那の我がままで潰れてしまうので電話で平謝りでしたが・・・

最終日は友人と相談し私は油脂類点検と破損の可能性を考慮して交換した補助ポンプや燃料関係の漏れ点検をし、それからエンジンを始動・・・  とりあえず無事に機関に火は入りました。

並行して友人は自分の車両のヘッドカバー交換に向けて同じようにエンジンの解体を始めます、以前からヘッドカバー周辺のオイル漏れが酷くなっており交換のタイミングを図っていました。 私の車両もそうでしたが20年以上経過すると流石にヘッドカバーの塗装も剥離して錆だらけです、幸い部品車両から降ろした予備のエンジンがあったのでそのヘッドカバーを少し前に再塗装しなおして交換用に用意をしておきました。

古いヘッドカバーの塗装はサンダー等で綺麗に剥ぎます

本来なら仕上げも考慮してサフェをするのですが、このカバーは殆どエンジンに隠れてしまうもので表に見えませんから今回はそこまで拘らないことにします

黒をベースに少しパールを混ぜてみました、仕上げはクリアをしっかり噴いてあります

外光で見る限りには黒にしか見えませんが・・・

最終日は2台並んでの作業です

かなりくたびれてますね~


交換後の画像を撮るのを忘れてしまいました、次回のメンテ時にでも撮影して紹介しましょう

2012/08/21

合宿3日目(Repair Camp Day 3)

初日は移動の都合上半日しか作業出来なかったので足回りを中心に整備、2日目は朝から丸一日作業をしてステムシールの交換が半分終わった状況です。  合宿の3日目は残りのステムシール半分を交換して組み上げ確認をします、当初の予定はエンジン関係の作業は丸二日で完了して合宿を終えるつもりでした・・・・

昨日までの作業で手順や要領が分かり慣れてきたので3日目は比較的スムーズに進みます、ただ連日の暑さはいくら日陰とはいえ老体の二人にはかなり堪えます。  本来はこの3日目からもう一人二人作業のお手伝いに友人達に参加して貰うつもりだったのですが、皆さん都合がつかなくなってしまい継続して二人だけで残りの作業をする事になりました。

暑さと作業効率を考えてこの日は早朝の6時過ぎから作業開始です、朝飯前の言葉通り朝食までには残り3気筒を残すのみとなり機関の主な整備は午後には終われる期待が高まります。

片バンクは既に終了、更に追加3気筒も終了で残り3気筒

この季節の整備は特に体力が奪われますので食事はきっちりと3食とります、と言っても全てShogunの奥様のご好意で手料理を振舞って頂きました。 普段友人達と整備するときには近所のコンビニに食事は買出しに行きます

午後の作業を進めているときに発生した組上げミスです、スプリングリテーナーがちゃんと組みつけられていません、もちろんこの状態ではエンジンに致命的なダメージを与えてしまいますので再度組みなおしました。 デジカメで見る限りは容易に分かりますが老眼にはこんなものも見えにくいので整備上のネックですね

 上から見ていると角度がついているのでズレているのが分かりにくかったようです




この日のエンジン関係の作業は15時頃までに終わり組上げを含めて18時前には終わりましたが、この整備のタイミングに合わせて幾つか追加の作業も予定していたのでそれらをどうするか思案し、現在破損の可能性が高い中古の補助ウォーターポンプのライン変更とユニットの交換だけを行う事にしました。

補助ウォーターポンプはメインパイプの強度設計に問題がありM70で使用していると4-5年周期で破損して粉々になります。 私はこのポンプを既に3回破損した経験がありその度に不条理を感じています、ポンプにはメインパイプとサイドパイプがあるのですが素材がプラスチックで出来ていてしかもパイプの肉厚がメインパイプの方が薄く作られています。 そのため熱害の酷い車両だと劣化により破損を招くようです、国産の社外品で同様のポンプが安く売られていますがパイプ径が細く適合しないので使用できません。 技術的問題がクリアになるなら誰かハウジング部分だけをワンオフ製作してくれないかなぁ~(笑)