2014/08/06

E46-325ツーリングのAT修理 Pt2 ( E46-325 Turing Valvebody Repair )

滑りの症状があるとの事でしたのでオイルパン内部を点検しましたが、ペーパーダストの類は見られませんでした。  最近もATFを交換しているとの事なので、その時の状態が判れば一番良いのですが残念ながら画像などの資料もありません。 いつも思うのはディーラーや整備工場でATF交換をしたときには必ずATFとオイルパンの状態が判るようにデジカメで撮影して貰うように心掛けて欲しいですね。


ATのモデルはA5S325Z(5hp19)です、バルブボディはいつもと同じですが取り外しのときから妙にネジ頭のサイズが違うものが多く気になります。 トルクスネジは2種類使われているのは普通ですが、通常はAT本体に固定するものとバルブボディの各チャネル締結用と分かれています。 このバルブボディには何故かチャネル締結用のボルトにも固定用と同じサイズのものが混在していました。




特に大きな問題では有りませんがいつものように記録をとって注意しながら分解していきます。




各チャネルの汚れは標準的な状態で良くも悪くもありません、シフトが入らなくなっているとかリバース動作がしないとか酷い状況に陥ってないので当然と言えば当然ですね。  オーナーさんから見ても状態が良いのか悪いのか判断できませんし、そもそもこんな汚れ程度を分解洗浄するだけで直るのだろうかと疑心暗鬼になっているのは当然と言えます。


こんなところにもボルト頭が大きなサイズの違うトルクスネジが・・・・




メインチャネルの状態です、1箇所のオリフィスには穴の無いタイプが使われていました。 チェックボールは安全のため全てメタル製に換装します




各種スプリングやピストン等に目立った破損は見られませんでした、主に動作不良を引き起こしていたのはスラッジが原因と予測されます。 今回はATFを熱劣化が少ないワコーズと比較的安価なものと予算に合わせてオーナーさんに選択して頂きワコーズを補充致しました。  5HP系の場合は油圧調整用のレギュレータが装備されていないのでATFの粘度でフィーリングを調整します。


テスト走行で無事に問題は解決したことが確認されました、あんな程度の汚れでATが不調になる事にオーナーさんも驚かれていましたが本当に繊細です。