2012/09/18

バルブボディの分解整備 Disassemble the valve body Pt1


オイルやフィルタの交換をしてソレノイドの洗浄をしてもATの不調が改善しない場合にはバルブボディ本体チャネルの一部がスタックしている可能性があります

特にオイルやフィルタの汚れが酷い場合には各チャネルユニットを分解整備すれば予防メンテになります。 但し、チャネルユニットの分解整備には必ず整備資料を入手して行うようにして下さい、バルブボディの世代や型式により各ユニットの構造は微妙に異なり、細かな部品の位置関係を把握していないと部品の紛失や破損など整備時に予期せぬ結果を招く事があります。




それでは、実際の作業を見てみましょう



左の画像は4HP24、右の画像は4HP22ですが、見た目だと殆ど差が判りません。 各チャネルユニット内部の構造や構成部品等はそれぞれ微妙に異なるので作業時には注意が必要です、これまでもATSGの整備資料を確認しながら作業していますが一部資料と異なる部分もあるので分解する前には必ずデジカメなどで画像を撮っておいて組み上げ時に確認できるようにするようにして下さい。
 プレッシャレギュレータの固定マウンタボルトを外します
 固定マウンタです
 今度は反対側にあるハーネス固定クランプを外します
 クリップになっています
外れたクリップ
 プレッシャレギュレータを抜きます、ハーネスは無理に抜こうとすると破損するのでそのままでかまいません
残ったレギュレータチャネルです、これは反対側から5箇所のボルトで固定されています
 1番目
 2番目
 3番目
 4番目
 5番目です
裏側をみるとこのボルトです
 チャネルユニットを下にしてボルトを緩めていきます
ここの5本のボルトは全て同じ長さです
下のチャネルユニットがフリーになりました
 外れたチャネルを見ると、ちょっと資料と違う部分があります
ATSGの資料とRetainerの位置が違っていますが、今迄分解したものは全てRetainerが3段目でしたので問題は無いようです。 恐らく資料の方が間違っているのでしょう・・・
シリンダをばらして見た状態です、シリンダ内部の動作に特に異常が無ければ洗浄だけで良いと思います。 Retainerを分解した場合はインストールするときにシリンダの動作を干渉しないように十分注意して下さい、またRetainerには方向性がありますのでセット時には方向も注意しましょう。

基本は押し込み過ぎない事です!
 シリンダの反対側にはリリーフバルブのテンションを調整するためのコントロールボルトがあります。
ノーマル仕様のTCM (Transmission Control Module) やTCU (Transmission Control Unit) ならば調整の必要はありませんが、ALPINAのB12用モジュールを搭載した車両は油圧やオイル供給量が僅かでも下がるとシフトショックが大きくなる傾向にあるので、その場合は調整をしてみてください。
B12仕様のTCMは1速以外の全てのシフト領域でロックアップクラッチが作動するようになっています、シフト時にロックアップクラッチを同時駆動するために作動オイルが分流されるのでリリーフバルブのテンションが下がって油圧やオイル量が下がるとシフトショックが顕著に出るようです。

以前何度もB12のバルブボディ洗浄しましたがシフトショックが改善せず、このテンションを半回転程回してリリーフ圧力を上げたところショックが大幅に改善されました。



さて、次はロックアップソレノイドのチャネルユニット分解です


1番目
 2番目
 3番目
 裏返して3本のボルトを緩めます
ボルトは1本が長いもの、2本は短いものです



次はソレノイドチャネルの分解です

このチャネルは6本のボルトで固定されています

 1番目
 2番目
 3番目
 4番目
 5番目
 6番目
 裏返して6本のボルトを緩めます
 6本全て同じ長さです
これでソレノイド関係のチャネルは全て分解できました


次は、バルブチャネルについて記事を書きましょう

To be Continued......