2017/04/05

最近の旧車ATトレンド

私の所ではZFの4速5速系ATのOHや点検調整を主にお受けしていますが、普段やっているバルブボディのOHに関しては殆ど定例整備のような感じでこれと言って真新しいい情報がある訳ではありません。

OHをする理由の多くは不調の改善や予防整備が多いのですが、オーナー様の中にはフィーリングの調整を希望する方も居ます。 このフィーリングという響きは難しいのですが、トルク感や各シフト接続の滑らかさだったりカチッとした感じだったり多種多様です。

作業をしてる私も含めてそうですが古い車両の新車時の状態を知る人は少なくてこれが正解という部分は無いのが実情です。 何台かはリビルド品のATに乗せ換えて間もない車両を整備調整したケースもありますがそれらと比べてみると方向性は間違っていないようです。

エンジンや足回りのリフレッシュや整備で車両のフィーリングが変わるようにATも制御を受け持つバルブボディ各所の流量調整や使用するATFの粘度などを調整することでそれらに変化をつけることが可能です。 世間的には各所で適合品のATFを使用しないとATが壊れるとかまことしやかに都市伝説が語られてますが、ごく最近のモデルに搭載されているような超精密電子制御のATならまだしも機械式から半電子制御式になった世代の旧車ATに関していえば指定ATF以外を使ったことにより壊れたなどというのは嘘も甚だしい話しです。

もちろんメーカー的には性能維持に関わる部分なので指定品はありますけど、エンジンオイルで市販品を使って壊れないのと同じでATFとして流通してるものはそれなりの性能が保証されてますからね。 発生した多くのトラブルはOHをせずにATFだけ交換したり不用意に強制循環洗浄などという見た目だけのフラッシングをして如何にもATF綺麗になったでしょとウンチクを言ってるOH整備をしないショップ店員が引き起こしたようなものです。

数多くOHしてる身としてはとにかく10年以上運行してる車両は一度はOHすべきで、やらずにATF交換やフィルタ交換をまめにしてても何ら意味はなくかえってリスクを増してるだけだと警告しておきます。